あいつはきっと

 

新しいクラスになって

早速 女たちはいつものごとく

グループをつくり始めた

そんな中で やっぱりあいつは

休み時間に 自分の席で

ひとりで 本を読んでいた

あいつはきっと 疲れちゃうんだ

教室移動も 休み時間も

いつも 同じやつらといるのが

あいつはきっと 感じてるんだ

いつも いっしょにいるからといって

たがいに好きとは 限らないこと

あいつはきっと 選んだんだ

無理していつも 誰かといるより

ひとりの自由と 気楽さを

それでもあいつは 求めている

「いっしょにいる人」じゃなくて

心と心が 響きあう友を

今 読んでいる小説の

主人公の魅力とか

そういう話を語りあえる友を

俺には それがわかる

小学生の頃から

ずっと あいつを見てきた

俺には それがわかる