義務と権利

 

学校には行ってないけど

勉強は けっこうやってる

親は医者をめざしたらっていうけど

僕は「星」がすごく好きで

将来は天文の仕事がしたい

塾や家庭教師は お金かかるから

家で通信教材とか問題集とかやってて

週3回 フリースクールに行ってる

そこは平日の朝九時から午後四時まで開いてて

不登校の子ども達の居場所にもなってる

学習支援ボランティアが何人かいて

わからないところとか教えてくれる

初めてフリースクールを見学したとき

弁護士の学長に言われたんだ

日本は中学卒業までは義務教育だから

どんなにつらくても行かなきゃいけないと

勘違いしている子が多いけど それは違うって

日本の義務教育の「義務」は

子どもの「教育を受ける権利」を守るために

大人に課している「義務」なんだって

子どもが教育を受けられない状態をなくすために

大人の「義務」にしたんだって

だから 学校に行っても行かなくても

君の「教育を受ける権利」は不滅だから

自分にあうやり方で 学ぶことを続けて

どんな仕事がしたいか あれこれ考えなさいって

大人になったら 僕もここで

不登校の子ども達に 勉強を教えてやりたい

晴れた日の夜は 天体望遠鏡を持ってきて

このビルの屋上で 子ども達に見せてあげたい

アンドロメダ銀河も オリオン座大星雲も

いつだって僕らを包み 煌めいている星達ぜんぶ