泣く勇気

 

合唱曲の歌詞に

つらくても 泣いちゃだめとか

涙をふいて 笑ってとか

そういうの よくあるけどさぁ

歌いながら いっつも思うよ

おいおい、それ違うでしょって

本当につらいときに

無理して笑っちゃだめでしょ

我慢して 平気なふりしつづけてると

あいつらは もっと調子に乗る

「まだまだオッケー」

「もっとやってもオッケー」

あいつらは そういうことにして

いじめは もっとひどくなる

本当につらいときは

泣くの我慢しちゃだめだから

学校で思いきり泣くのは

弱虫じゃなくて勇気だから

「いじめてるつもりなんてなかった」

「本人だって、嫌がってなかったし」

「苦しんでるなんて全然知らなかった」

あいつらに そういう見え透いた嘘を

言わせるすきを つくらないために

あいつらに 逃げ場を与えないために

あいつらが あんたにしてきたことが

完全にいじめだってこと 証明するために

大勢の前で 泣く必要があるんだよ

担任に 泣いてる理由を聞かれたら

「言ったら、チクッただろって、

もっとやられるから言えない」って言えばいい

そうすれば いじめの深刻さが伝わって

担任だって 少しは真剣に動くでしょ

ただ あいつらを注意して終わりじゃなくて

その後 あんたを守らなきゃって思うでしょ

だから そうやって

平気なふりして 我慢しないで

教室で 大勢の前で泣くんだよ

勇気を出して