選択

 

若かった頃の私は

どの道を選ぶか迷ったときには

その選択によって あらゆることが

決まってくると 思っていた

でも 今は少しはわかる

その道を選んでよかったと

のちに 思えるかどうかは

選んでからの自分の行いによって

九割 決まってくることを

若い頃は それがわからず

うまくいかなくなると

あっちの道を選んでいればよかったと

自分の選択を ただただ後悔していた

こうなってしまったのはすべて

選択を誤ったせいだと思っていた

あっちの道さえ選んでいれば

すべて うまくいったはずだと

でも あっちの道を選んでいても

どの道 後悔したんじゃないかと

これまでの自分をふりかえり

自嘲と共に 噛みしめることがある

でも せめて人生の途中で

そのことに 気づけただけでも

よかったのだと 思うことにする

これも ささやかな成長なのだと

少しは前向きに 思うことにする

そんなときほど 詩が書きたくなる

同じ思いを 噛みしめたことのある

見知らぬ誰かに 愛される詩を