人は誰しも

 

誰しも 人に言われた言葉で

心に 深い傷を負うことがある

そして たいてい

言ったほうは 覚えていない

言われたほうの

思いだすたびに押し寄せる

痛みや苦しみも知らずに

誰しも 年をとるごとに

実は自分も 誰かの心に

深い傷となって 残る言葉を

無意識に あるいは軽い気持ちで

口にしてきていることを

そして 忘れていることを

だんだん 気づくようになる

だから 自分を被害者としてしか

とらえることができずにいる

かつての 私のようなあなたに

どうか 気づいてほしいと思う

人は誰しも

被害者であるいっぽうで

加害者でも あるのだと

「私は人を傷つける言葉なんて、

決して口にしたことはない」

そう思いこんでいたとしても

それは あなたが覚えていないだけか

もしくは 気づいていないだけだ

そう言いきれてしまうあなたは

ただただ あきれるほど忘れっぽくて

鈍感で 無神経なのだ