おたすけ綱引き
私の学校の体育祭は 学年全員で「おたすけ綱引き」をします まず ピストルの合図で 1組と2組が綱引きをします その間に3組と4組が トラックを一周してから 3組は1組の後ろ 4組は2組の後ろについて 仲間を助ける綱引きです
私は1組の一番後ろです 練習のときは 強い2組に いつも ずるずるひっぱられながら 「3組、早くきてよっ」と思います 十秒後くらいに 向こう側のトラックのカーブを いつも 一番で走りぬけてくる 3組の あの人が見えます
私を助けるために あの人が私に向かって 走ってくるわけじゃないけど それでもすごくうれしくて すごく力がわいてきます
体育祭が終わっても 私はずっと 忘れません いつも 綱をひっぱりながら見ていた 一番で走ってくる あの人の横顔 はぁはぁと息を切らして 私のすぐ後ろについて あの人が綱をつかんで 思いきり ひっぱりはじめたとき 背中じゅうで感じた 心強さと 言葉では 言えないなにか