スクールカーストとユリと私

 

私の学校では それぞれの生徒はざっくりと

ABCの3段階に階級分けされていて

たいてい 同じ階級同士でグループになっています

私は太っててダサいからCです

小学生の頃 仲良しだったユリは

スタイル良くてオシャレなのでAです

ユリとは日が暮れるまで公園で遊んだり

秘密基地をつくったり 手芸をしたり

楽しい思い出がいっぱいあります

でも 中学になってから

私達は どんどん遠くなりました

学校でユリと目があっても

かつて私と仲良しだったことを

恥ずかしく思っているのか

いつも いっしょにいる子達に知られたくないのか

どこか バツが悪そうな顔をするので

私もユリに 学校で話しかけたりしません

でも先週の日曜 ユリとばったり大宮駅で会いました

ユリも私も ひとりでした

学校から離れた場所で 私達は久しぶりに話しました

昔のように それぞれ違う味のシェイクを買って

途中で交換こしながら いろんなことを話しました

駅への帰り道 ユリがぽつりと言いました

「帰りの電車、別々でもいい?」

「うん」

「…サイテーだよね。ケーベツしていいから」

「なんで?ユリにはユリの友達関係あるし」

「べつに友達じゃないよ」

「なんで?」

「ただ、いっしょにいるだけ。べつに楽しくない。

友達って、いっしょにいて楽しいもんでしょ。

ナオといて楽しいのに、学校でナオといれない。

こうして二人でいるところ、学校の子達に見られたくない。

あたしだって、こんなサイテーなヤツになりたくなかったよ。

学校ってなんなんだよ、いったい」

吐き捨てるように 一気にそれだけ言うと

すたすたと 先に行ってしまいました

ユリは 怒りながら泣いていました

帰りの電車に ひとりで揺られながら

車窓から見える夕焼けが すごくきれいでした

小学生の頃 泣き虫のユリを

よく 家まで送っていったことを思いだしていました

でも 中学生の私にはもう

泣いているユリを 家まで送ってあげることはできないから

せめて ユリも今

この夕焼けを見ていればいいなと思いました